理性を保っていない父親

この作品において犯人と思われるドロールだが、その証拠も何もないまま、真相は闇の中へと葬りこまれるかと思われていました。それを良しとしなかったミッキとギディ、ですがこの両者にしてもそれぞれ超えてはならない一線を理解しているかどうか、という点が乖離するほど違っていたのです。仮にもミッキは刑事であり、普段暴力を働いてまで犯人の自供を促そうとした方法には賛同できないでしょう。ですがそれでも彼の心理には自分は刑事だという自覚があり犯人を殺してしまっては元も子もないと考えてもいた。

しかしギディに関しては違っていたのです、彼は例え自分に罪が着せられようとも娘のことを思えばそんなの厭わない、劇中ではそんな姿勢が発せられていたのです。観客も見ていればすぐに気づくはず、この中で誰が一番異常であり、そして誰が一番の悪として表現されているのかを。

それは物語が中盤に差し掛かることで、ギディの狂気に満ちた行動は一歩として剥き出しになり。ドロールは愚か、ミッキまでをも巻き込んでいた。

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拷問に次ぐ拷問

ギディが2人を拉致・監禁し、ミッキこそすぐに解放されますが何か様子がおかしいことに気づく。ただ彼は彼でドロールを犯人だと思っているため、信じてはおらず、助けを懇願されても動じることはないと自負していた。ところがギディの電話に着信が入った際、ドロールはミッキに助けてくれるよう頼み込む。同じように娘を持つ父親の身の上なのに、今回のような犯行をするはずはないと訴えてきた。実はミッキにも同じように娘がおり、父親としての自覚があったのです。その言葉を聞いてもしかしたらという一抹の可能性が刑事たるミッキの中に芽生えて来たとき、ギディが戻ってくる。

彼にも同じように懇願するかと思いきや、先ほどの言葉などまるで微塵にも介しておらず、ドロールはギディが振り下ろすハンマーによって指を砕かれていった。ソレを見て刑事として、そして一人の娘を持つ父親として止めに入るミッキ、しかしギディは止まること無く、挙句にミッキまでを攻撃して再び動けなくすると拘束する。邪魔者となったミッキが見ている眼の前で繰り広げられる拷問の嵐は、ドロールの精神を蝕んでいくまでに時間を要さなかった。

人ではなくなったギディ

劇中では事件から前のことを振り返る要素は少ないが、1つ言えるのはギディが決して以前からこのように拷問を行うような人間ではなかったということだ。そもそも事件が発生する前は、至って平凡な娘を愛する父親として生活していたのだろう。劇中ではドロールへと降り注がせる拷問の最中には、彼は手製でケーキを作るシーンが何と奇妙な光景を生み出している。しかも手順もきちんとしており、ものの見事に完璧なケーキを作ってしまうのです。そこに鎮痛剤を入れてドロールに食べさせた後、更なる拷問を加えていく事になる。

とてもではないが、まともに考えられるほどきちんと見ることが出来ないくらい、作品の狂気が精神を侵食していくのが分かった。そうした中で考えられることといえば、拷問を平然と、まるで罪悪感や罪の意識といったものに狩られること無く行う姿は目を背けたくなる。それでも拷問をし続けるのは、彼が娘の喪失してしまった首のありかを求めてのことだった。いつか来る復活の日、娘が生き返れない事実は彼にとって何よりの苦痛だった。だからこそどんなことをしても首を見つける、ギディの異常行動を促してしまった原動力はそこにあると考えられる。

ミッキについて

最初のほうこそ暴力で無理やり自白させようとしたミッキが可愛らしく見えて仕方がなくなってくる。事件現場に連れて行ったり、墓地でロシアンルーレットを行って生きたければ吐けとしていた。その様子だけでもやり過ぎだろうと思っていた観客にすれば、まさかの展開でしょう。このままミッキがドロールを苦しめていくのかと思いきや、刑事の彼ではなく被害者の父親が然として前に出てくる。そしてギディの行き過ぎた拷問を制止するまでに至っているところから見て取れるに、ミッキはあくまで自分が『刑事』という自覚を持ちながら正当とはいえないものの犯人逮捕に尽力していただけだったのです。

そう、中盤以降では共犯者となるかもしれなかったミッキは逆にギディの行動に巻き込まれた、被害者へと成り代わってしまいます。

戦争を題材にした作品

まだ始まったばかり

どんな拷問をしていたかについては記す必要もなければ、個人的に書きたくはない。上述に書いた爪を砕く、ならまだある程度マシなのかもしれません。何せこの後がドロールにとって本当の地獄であり、またミッキについても絶望と信じたくない真実を知ることになってしまうのです。

映画から見る、超軍事国家イスラエルの狂気性を考察

オオカミは嘘をつく、という映画作品をご存知だろうか。実の娘を殺された父親の怒りが犯人と思しき人間へと向ける狂気が、これでもかと表現されている内容だ。この映画は中東でも過激な国情を持つ『イスラエル』国内で制作された作品となっている。映画から見るイスラエルという国の事情、かつて聖地も存在していたはずの国で何が起きているのかを、このサイトで独自考察していく。

衝撃のドキュメンタリー